天職と適職。
なんだか似たような言葉ですが、違いはどこにあるのでしょうか。
そもそも天職って何なのでしょうか。
よく考えるとうさん臭くて、よくわからない…そんな風に思っていること、ありませんか?
結論から言うと、天職というものはきちんと存在しますし、天職と適職の違いもきちんとあります。そこで、上場企業の元人事関係者であり、複数企業の人事施策にも関わったことのある私が、天職と適職の違いについてご紹介していきます。
天職と適職の違いは「誰が評価するか」
天職とは、人の何倍も粘り強く続けられる仕事で、その結果が他者からも高く評価されている仕事のことです。
人の何倍も粘り強く続けられることは、大抵の人にあるものです(多くは「趣味」と呼ばれています)。それが仕事としても高く評価されている状態が「天職」です。
一方の適職とは、あなたが満足し、自信を持って働ける仕事のことです。
給与が高いとか、仕事のやりがいが感じられるとか、オフィスの環境がよい、さらには福利厚生が手厚い…などなど、今の自分に対してトータルで見て満足できる仕事のことを適職と呼びます。
つまり、
- 周囲の人が「すごい!」と認めるのが天職
- 自分が自分を「すごい!」と認めるのが適職
ということになります。この二つの違いは「誰が評価するか」なのです。
天職を見つけた人の例
これは具体例を挙げた方が分かりやすいでしょう。私の知っている「天職を見つけた人」は、とある凄腕ITエンジニアです。
彼は人の何倍も「エラーに対する嗅覚」が優れていました。全く問題なく動いているように見えるシステムから、バグ(=システムの欠陥)を見つけ出す能力が極めて高かったのです。一人で3週間ほど同じエラーを追い続け、最終的に自社の巨大サービスをダウンさせるバグを見つけたこともあります。
これは、他の誰も真似できない芸当でした。もはや彼しかできない仕事であり、彼の天職だったのです。実際、多くの人が彼の仕事を称賛し「すごい」と認めていました。
適職を見つけた人の例
一方の適職を見つけた人というのは、それなりに多くいます。要はトータルで見て自分の環境に満足して働いている人のことなので、ごく一般的な「従業員満足度調査」などでも明らかにすることができます。
ちなみに、どんな仕事が自分に満足しやすい(幸福度が高いのか)といった疑問には、既に専門的な研究がされています。
①所得の上昇に伴い幸福度は高まる
佐野晋平・大竹文雄(2007) 「労働と幸福度」 『日本労働研究雑誌』 第 558 巻 pp.4-18.「働き方が仕事満足度・生活満足度に与える影響」より孫引き
②労働時間が長くなるほど幸福度は低下する
③業種は金融業,職種は専門職や管理職,規模は大企業である方が幸福度は高い
④失業の幸福度への影響は年代・性別によって異なる
なので金融系の大企業で、専門職として高い報酬を得ている人は「幸福度が高く」、適職に就いている人が多い、と言えるわけですね。
いずれにせよ、適職に就いた人は幸せに働いており、それは自分が幸せだと感じているからです。他の人が幸せだと思うか、は関係ありません。そしてここが、適職と天職の最大の違いになります。
天職と適職、それぞれの見つけ方
では、天職と適職。それぞれ、どのように見つければよいのでしょうか。
それは、自分が何に喜べるのかをきちんと知ることです。
まず、自分が生活に欲しいと思う要素をどんどん思い浮かべます。例えば…
- 月収50万円以上
- 1LDKのマンション
- 都内の大企業に勤務していること
- 一定の専門性が認められている
…こういった要素を全て満たすのが「適職」ということになります。なので、そういった環境に自分が行くにはどうすればよいのか。それを考えて、就職活動なり転職活動を行っていけばよい、ということになります。
そこから天職を探すのには、さらに一ひねり必要です。
それはいま自分がやっている仕事、やれることの中から
- 自分が寝ても覚めても考えてしまうことはなにか?
- 仕事の中で一番面白いと思う部分は?
- 何を成し遂げたら、圧倒的な充実感や満足感を得られる?
→これを考え、試行錯誤し続けること!
実は天職には「人の何倍も忍耐力を持って続けられる」という要素が必要です。
並大抵の人ならあきらめてしまう、本当に辛い局面でも投げ出さない。だからこそ、人よりも抜きんでた存在になれるのです。仮に誰でもやれるなら他の人と差がつかないので、賞賛もされないですからね…。
なので、「寝ても覚めても自分が考えられること」「一番面白いと思う部分」「充実感や満足感が得られることは何か」を考え、実際にやってみることが必要です。
就活生なら、インターンでもバイトでもよいでしょう。OBOG訪問で、自分が向いていそうだなと思った職種に就いている人に「何が一番面白いですか」と訊いてみるのでも構いません。そして、実際にやってみて試行錯誤を積んでください。試行錯誤を積まないならそれはただの「適職」です。
つまり、天職とはいばらの道。試行錯誤をしているわけですから、毎日が楽しいわけではないです。それは天職を見つけた偉人たちの言葉からもわかります。
オレの人生は挫折の連続なんです。でもそこからはい上がろうとして、未知の世界を知ることもある。(本田圭佑/サッカー選手)
世の中に失敗というものはない。チャレンジしているうちは失敗はない。あきらめた時が失敗である。(稲盛和夫/起業家)
諸君は必ず失敗する、ずいぶん失敗する。成功があるかもしれませぬけれど、成功より失敗が多い。失敗に落胆しなさるな。失敗にうち勝たなければならぬ。たびたび失敗すると、そこで大切な経験を得る。この経験によって、もって成功を期さなければならぬのである。(大隈重信/総理大臣)
天職を見つけることは、決してイージーな人生ではない。それどころか、非常に苦しい毎日を送ることになる。それでも、寝ても覚めても考えてしまうから、辛いところに戻ってきてしまう…。これが天職に就くということなのです。
まとめ:天職と適職の違いと探し方。
いかがだったでしょうか。
天職と適職の違いとは、周囲が認めるかどうか。そしてそれは、膨大な数の試行錯誤を積んだことで認められるのです。
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