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文系の就職を徹底解説。目指す業界別に知っておきたいこと

就活初心者向け

文系の学生として、就職するとはどういうことなのでしょうか。
筆者も文系の大学生として就職をし、その後上場企業で人事関係の仕事しました。その経験から、文系の就職のリアルな情報について紹介していきます。

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文系就職の特徴

文系就職の特徴は、なんといっても「幅の広さ」。専門性が理系よりも重視されないため、業界や職種を選びやすい傾向にあります。

特徴その1:選べる、選ぶ手間がかかる

文系では専門性があまり期待されていないこともあって、かなり幅広い業種から受ける業種・業界を選ぶことができます。

ただ、選択肢が多いということは「決める手間がかかる」ということでもあります。文系の就職では自分についてきちんと知った上で(=自己分析をした上で)、その業種や業界を選んだ理由をコンパクトにまとめ、それを企業に端的に伝えなければ内定をもらえません。いわばきちんと対策する必要があるため、文系の方が「就活での大失敗」が起こりやすいのです(その点、理系はある程度失敗しても専門性があるので他の企業が救済してくれるチャンスは比較的多いです)。

文系就活生は自分で動き、自分で決める。自由には責任が伴うのです。きちんと準備しましょう。

特徴その2:就活期間が長期化しやすい

理系の学生と比較すると、就活の期間が長期化しやすい傾向があるようです。これは前述の「選べる幅が多いので、準備しなければいけない」という事情が関係しています。また、文系の方が大学生の人数が多いので競争が激化しやすいです。そのため企業によっては面接が5次面接、6次面接と長期化することもあります。

あくまで一部の文系学生の傾向であり、全体として見れば文系と理系の就活期間にそこまで大きな違いはありません。詳しくはこちら

ただし、長期化することが悪いことだとは一概には言えません。じっくりと考える期間があることで、自分の社会人人生について考えを固めたり、分析する時間ができるからです。またサポートしてくれる就活サービスも多く、実際に多くの就活サービスが文系の学生を得意としています。理系をサポートしてくれるエージェントやサイトはどうしても少ないです。

就活をサポートしてくれるサービスが多いのも、文系の特徴と言えるでしょう。

文系就職の職種

では、文系学生が就職可能な職種にはどんなものがあるのでしょうか。文系の選択肢として、以下のような比率が世の中ではよく知られています。

  1. 70%…営業職
    接客、法人営業、個人営業、ルートセールスなど
  2. 20%…管理部門・事務系
    マーケティング、金融、人事、会計、コンサルタント、経理など
  3. 5%…エンジニア
    ITエンジニアなど
  4. 5%…その他
    記者、デザイナー、運転手など専門性が強いもの

それぞれの要素を説明していきます。また、ここでは公務員や教員といった、自治体・政府系の仕事は省きます。

1.営業職

文系のあなたは高い確率で営業職になるはずです。というのも、就職した文系学生の7割は営業職になると言われているからです。

よく「文系なら好きな職が選べる!」みたいなことを言う就活サイトがありますが、あれは嘘です。信用しないでください。業種は確かに選べるかもしれませんが、職種は殆ど選べません。

「そんなことを言っても、自分は商品企画をやりたい!マーケティングをやりたい!」と思っているあなた。ただ、それを言うと殆どの面接官からは「商品企画やりたいんだね。じゃあ、まずお客様のニーズを知ろうか。最初は営業職だね」と言われるのが現実です。

営業と言うと、嫌なイメージがあるかもしれません。が、社会の殆どが営業職である以上、転職もしやすいですし、社内の中での地位も高く、自分でものごとを決めやすい。リアルな人間ドラマもありますし、試行錯誤のしがいもある。結構やってみると楽しいのが営業職です。何より実際にモノやサービスを売ってくるスキルは「食いっぱぐれしません」。一旦身につけてしまえば、それこそ転職でお給料をどんどん上げていくこともできます。

2.管理部門・事務職

管理部門といっても、あなたがいきなり偉くなって管理職をやれるわけではありません。新卒が何かを管理するなどあり得ません。会社の営業以外の雑用をやるのが管理部門のリアルです。

例えば事業会社では「銀行に相談してお金を貸してもらう=金融財務」も管理部門の仕事になりますし、「マーケティング」や「人事・総務」さらには「会計監査」「コンサルタント」の仕事も管理部門の仕事に入ることがあります。そんな中で新卒がやる仕事は、たいていの場合エクセル(※表計算ソフト)の数字をひたすら操作するという地味な仕事です。

営業のように数字の実績で語れることが少ないため、転職は営業職よりはやりづらい傾向があるようです。また実際にお金を稼いでくる営業部門に社内の地位的に負けてしまい、配属されたら殆どお給料の伸びは望めないという会社も…。

その一方で、きちんとしたスキルを身につければいくらでもレベルアップが可能です。この「管理部門系」の仕事に、文系の学生の残り2割がなると言われています。

3.システムエンジニア

実は文系でもシステムエンジニアになることができます。というのも、理系でもコンピュータに詳しい人材が少なく、世の中のシステムエンジニアの需要に全く追いついていないからです(理系でもプログラミングができる大学生は10%を切ると言われています。なので、理系からシステムエンジニアを育成しているだけでは人手不足です)。

ただし、客先常駐エンジニアと呼ばれるものには注意してください。エンジニアとは名ばかりで、数字をひたすらコピーする、資料をひたすらコピー機にかけるだけ、そして残業代も支払われない、といった地獄のようなコンボが待っています。

きちんとしたシステムエンジニアであれば、プログラミングを覚えて複雑なシステム開発に関わる経験が重宝され、転職も容易です。ただし技術の世界は日進月歩。「そもそも勉強が好き」という人でないと向いていない仕事と言えます。

このエンジニア系の仕事に文系の5%がなると言われています。

4.記者・デザイナー・運転手など

残りの5%が「記者」「デザイナー」「運転手」「ライター」といった、専門性が高い職種につきます。この5%に1000以上の職種が詰まっていると言われています。

文系であってもデザイナーになれますし、運転手になることもあります。例えば鉄道会社に就職すれば最初の数年間は運転手や車掌になるでしょうし、制作会社に入ればライターの仕事をやることもあるかもしれません。マスコミに就職すれば記者もあります。

ただ、こういった世界は狭いことが多く、最初から転職しづらいか、フリーランスになることがゴールになっている職種が殆どです。例えばマスコミの記者は転職しづらいようになっています(一度転職すると、他のマスコミは絶対に拾ってくれません)。ライターやデザイナーであれば、フリーランスとして食っていけるのが一つのゴールになるでしょう。

こういった世界に入るのはマイナーな存在ですし、人生のあり方を大きく左右することも多いです。カッコいい職業も多いですが、それなりの覚悟も必要とします。

文系就職の業界

では、業界にはどんなものがあるのでしょうか。
分野別にいくつか代表的なものを見ていきましょう。気になる業界は、くわしく業界研究を行うことをおすすめします!

文系就職の業界1:自動車・自動車部品

日本を代表するとも言われる自動車産業ですが、大きな変化を迎えているのが特徴です。Connected(接続性)、Autonomous(自動運転)、Shared/Service(シェアリングサービス)、Electric(電気化)の頭文字を取ってCASEと呼ばれるこの変化は、日本の自動車産業を根幹から揺さぶろうとしています。

入ったら安泰…と思っている就活生も多いかもしれませんが、とんでもありません。実際に主要メーカーの時価総額は5年前から落ち込んでおり、経営陣はこういった変化にあふれた世界に切り込んでいけるだけの人材を求めています。

文系就職の業界2:総合商社

もともとは貿易業務がメインだった総合商社ですが、近年は「投資会社」に近くなってきていると言われています。多額の投資を行い、会社を立て直したり、買収して構造改革を行うことで稼いでいるのです。

資源事業への投資で多くの総合商社が稼いでいますが、資源価格は不安定なことも多く業績が安定しないため、殆どの商社が「脱資源」を掲げているのも特徴です。小売や金融といった、多くの分野で投資をして稼ぐスタイルに変化してきています。

文系就職の業界3:電機大手

かつては日本の電機メーカーといえば世界から注目された存在でしたが、それも過去の話。中国や韓国勢に押され、しばらく凋落の時期がありましたが、近年ではようやく復活してきたところが多いのが電機大手の現状です。

ソニーはイメージセンサーを始めとしたカメラ・AV機器関連、さらにはエンターテインメント事業に舵を切る一方で、日立は電車システムの輸出などの社会インフラ事業に転換しようとしています。パナソニックも中国進出を強めるなど、電機大手といっても企業ごとにキャラクターが異なるのがこの業界の特徴です。

文系就職の業界4:通信

ドコモやソフトバンク、auといった大手キャリアが市場を独占しているため、収益性と安定性では他業界から群を抜いているのが特徴です。「2年縛り」と「通信費」によって、ある意味非常に守られてきた市場だからです。

…が、それも過去の話になりつつあります。「2年縛り」ルールは国により崩されたほか、通信費の値下げ圧力が高まり、各社ともに値下げを発表。さらには楽天が新規参入を発表するなど、収益性と安定性がどこまで持つのか?は不透明です。

文系就職の業界5:小売

小売業界をリードしてきたのはコンビニエンスストアです。ただ、出店ラッシュが国内では終了してしまったため、どのコンビニ大手の収益性も成長力は頭打ち状態。24時間営業スタイルも変化しているため、苦戦状態です。またインバウンドで息を吹き返した百貨店業界もコロナで大打撃を受けました。

ただ、高収益・高成長の小売業がないわけではありません。例えばファーストリテイリング(ユニクロ)やパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(ドン・キホーテ)などはその成長性で注目されています。

文系就職の業界6:医薬品

実は国内の医薬品市場は縮小局面に入っています。高齢化社会が進行する中で医療費抑制のための機運が高まっており、国が薬価引き上げに動いているからです。また、いくつかの大型医薬品の特許切れもあり、各社の収益力には限界も見えています。

また、医薬品業界は世界的には業界再編の真っ只中。武田薬品工業は7兆円でアイルランドの製薬大手シャイアーを買収するなど、大きな動きが相次いでいます。

文系就職の業界7:銀行

3メガ銀行は現在、縮小中です。そもそも金利で稼ぐことが超低金利政策で不可能になった上、高すぎる人件費が利益を圧迫しているとして、事務作業の自動化や店舗閉鎖などに舵を切っています。
さらに厳しいと言われているのが地銀です。国債で稼げないうえ、手数料収入も落ち込んでいます。

その一方で、実は伸びているのがネット銀行・ネット証券です。手軽に口座開設ができることや、コロナで現金を回避するトレンドが広まりつつあることを受けてネット銀行は伸びていると言われています。

文系就職の業界8:建設

一時的には東京五輪や大阪万博の需要を受けて、安定性と収益性を取り戻した建設業界。ですが、今後もこのトレンドが続くかはわかりません。少子高齢化が続く以上、国内の市場の縮小は避けられないからです。

そのため、多くのゼネコンが国外進出を強めています。特に東南アジアのプロジェクトを受注することも多く、海外進出に成功すればあらたな成長戦略が描けるでしょう。

文系就職のポイント

文系就職のポイント。それは、自分の強みをきちんと認識し、相手に伝えることです。

自分はどんなことをしたいと思っているのか。どんなことをすると「自分らしく」いられて、仕事を楽しいと思えるのか。それをきちんと認識することが就活の第一歩になります。

単純に「自分が話すのが楽しいから、営業職がいい」なんて考えで就活に望むべきではありません。「話すのが好き」といってもどんな話が好きなのか、で向いているであろう職種はかなり異なってきます。例えば、

  • 自分の考えたことを表現するのが好きなのか?
  • 論理的に考えた結果を伝えるのが好きなのか?
  • 相手の困っていることを聞き出すのが好きなのか?

で、それぞれモチベーションのタイプが違っているからです。
仮に自分の考えたことを表現したいタイプだとしたら、営業というよりもマーケティングや商品企画のほうが向いているかもしれません。また、論理的に話すのが好きだとしたら、コンサルタントのような職種の方がよいかもしれません。

…このように、一口に「話すのが好き」といっても全て営業職に結びつくわけではなく、かなり異なっているのです。
自己分析をしない、ということはこういった違いがよくわからないまま就職する、ということになります。それは非常にもったいないです。

仕事を「嫌なこと」ではなく「好きなこと」にしよう

「仕事をするなんて、嫌なことをやらされるんだ」となんとなく思っている就活生、いませんか?実際の私も、かつてはそう思っていました。

なら、最初から自分が好きになれる仕事を選べばいいのです。文系の就職は選べる幅が広いことが特徴ですから、好きになれるような仕事を選びましょう。そのためには自分の好きなことの言語化と、それを相手に正しく伝えるための努力が必要なのです。

嫌な仕事なら、最初からやるのをやめましょう。そうではなく、与えられた仕事のどこを面白いと思ってやるか。自分が面白いと思えて、きちんと取り組めるのか。そういった仕事を選ぶことをおすすめします!

文系就職のリアルな悩み

といっても、大学生に「自分の好きなことを分かりやすく伝えてください」といっても、なかなかつらいものがあります。大学生時代の私も無理ですから笑

なので、そのコツをわかりやすく解説するLINEを始めました。必要に応じてどんなサービスを使うべきか、就活の悩みにどう向き合うべきか、などを発信しています。

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