エントリーシートを書いていて、ふと「貴社」と「御社」、どちらが良いのかわからなくなった…。そんな方、いるはずです。私も就活をしていて何度もそういう瞬間がありました。
どちらで書くべきか?というのはもちろん、はっきりとした答えがあります。そして、それを区別しないせいで不利になることもあります。この記事ではそんな不利な状況を作らないために、「貴社」か「御社」かで混乱しなくなるトピックについてもご紹介していきます。
では、「貴社」と「御社」について、見ていきましょう!
「貴社」と「御社」の区別は「書き言葉と話し言葉」
まず、結論からお伝えしていきます。
どちらも「あなたの会社」ということで意味は一緒なのですが、文章に書くなら「貴社」、話すのであれば「御社」という使い分けがあります。つまり、
- 貴社
書き言葉。ESや履歴書、メールで書く時に使う - 御社
話し言葉。面接などで企業の担当者と口頭で話す時に使う
ということになります。
これは数あるビジネスマナーでもかなり基本的な部分であり、社会人が間違えると怒られることもあります。また、「貴社」「御社」ともにそれ自体が敬語であるため、「貴社様」「御社様」は二重敬語です。文法的におかしく、不自然なため使わないようにしましょう。
「御社」とESやメールで間違って書いたら落ちるのか?
え、そんな使い分け知らなかったんだけど。
もう「御社」で提出しちゃったんだけど、落ちるの?
…と、そんな不安になった就活生の声が聞こえてきそうですね。
その疑問にもお答えしましょう。「御社」を使ったから、というだけで落ちることはありません。
御社を使ったから、というよりも「求めている人材像とは違うものだった」「要領を得ていない」「そもそも質問に答えていなかった」など、内容そのものに不備があるから落ちるのです。「御社」と書いていても、その内容が良かったら人事は気にしません。
つまり、「御社」か「貴社」かどうかというより、そのESやメールの内容が問題だから落ちるのです。逆に言えば、まだ結果が来ていないのであれば心配する必要は何もありません。「次から気をつけよう」くらいで全く問題ないのです。
業界によっては「貴社」でないこともある
またもう一つ気をつけるべきなのが、業界によっては「貴社」でないこともある、ということ。
- 銀行
貴行 - 信用金庫
貴庫 - 大学
貴学 - 会計事務所・法律事務所
貴事務所 - 学校法人
貴校・貴学園 - 社団法人・財団法人
貴法人 - 市役所・官庁
貴庁 - 協会・機構
貴協会・貴機構 - 病院
貴院 - 組合
貴組合
…などなど。そこまで敏感になる必要もありませんが、「貴〇」と書いたほうが無難であることは確かなので、気になる方は意識してくださいね!
「貴社」「御社」の表記乱れは避ける
ただ、絶対に気をつけたほうがいいのは表記乱れです。つまり、一つの文章の中に「貴社」「御社」が混じっていると、面接官は気になるのです。具体的には
ちょっと、「貴社」と「御社」がバラバラじゃん…
この学生、自分で書いた文章を読み直さないのかなあ。不注意すぎるんじゃない?
という、マイナス評価につながることもあります。こうなると、仮に面接が通ったとしても「表記乱れを気にしないなど、大雑把な傾向があり要注意」という情報共有をされてしまうことも考えられます。いずれにせよネガティブな影響しかないので、「貴社」に統一する、またせめてどちらかに表記を合わせるようにしましょう。
「貴社」と「御社」の区別を忘れそうな人のために
といっても、「貴社」と「御社」の区別なんてすぐに忘れてしまいそうですよね?就活は数ヶ月も続きますから、またそのうち混乱することがないとも言えません。
そこで、区別するためのエピソードをご紹介します。
それは「御社」の語源です。というのも、「貴社(きしゃ)」は「帰社(きしゃ、会社から帰る)」と発音の区別がつかないため、話し言葉としての「御社(おんしゃ)」が普及したのだ、という説があるのです。
確かに、「キシャではいつごろキシャされますか」なんて言われたら、ちょっと混乱しますよね。特に相手の顔が見えない電話などでいきなりそう言われたら、たまったものではありません。だからこそ話す際の特有の言葉として「御社」が使われるようになったのだ…というのは、たしかに納得がいきます。
ただし、実際には少し違うようです。
国語辞典編纂者の飯間浩明氏は、こんな説を発表されています(出典)。
というのも、1980年代くらいまでは「あなたの会社」はビジネス上でも「お宅」と呼ぶのが当たり前だった。それに対し、次第に同じ発音の「オタク(=マニア)」という言葉が流行し始め、「おたく」という言葉のイメージが悪化していった。そのため「御社」という古い言葉(大正時代にはすでにあったのですが、一般的ではなかったようです)が「おたく」を避けるために発掘され、話し言葉として普及した…。
実は、就活のマナーというのは意外と歴史が浅いことも多いのです。例えばこの説が正しければ「御社」と「貴社」の区別の歴史は、1990年代からのたったの数十年間しかない。平成に入ってから流行りだした流行語なんですね。
いずれにせよ、「貴社」は書き言葉、「御社」は話し言葉です。
しっかりと区別して、内定に結びつけていきましょう!
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