就活という単語を聞いた時に、まっさきにやるべきだと言われるのが自己分析。
もちろん、まずは自分を知らないと就活はできません。筆者も最初にやるべきだと考えています。
…でも、本当にそうなのでしょうか?
めんどくさそうだし「やらなくて済むならやりたくない」ですよね。
そこで、本当に最低限だけを考えたい人のために、元上場企業で人事関係者を勤めた筆者が、一番考えるべきことだけをご紹介してきます。
そもそも、就活に自己分析はなぜ必要か
なぜ、めんどくさい自己分析をやらなくてはいけないのか。
それは、①自分の決断に納得するためと、②他人に伝えるためです。
1.自己分析は「自分が納得するため」
自己分析をやらないと自分のことがよくわからないまま就職するので、自分に向いていない企業に就職する可能性が高まります。そういった企業で働いていると、結局は自分が違和感を感じてしまい、最悪の場合3日で会社を辞めてしまう…ということも起こりかねません。
つまり自己分析は「自分の決断を納得するため」にやるのです。
例えば「自分は人と話すのが好きだ!」と考えたとします。そして、話すのが仕事である営業職をやりたい、と考えたとしましょう。
もちろん、この考え方自体は間違ってはいません。が、もう少し深堀りした方が「納得した仕事ができるようになります」。
「話すのが好き」といってもどんな話が好きなのか、で向いているであろう職種はかなり異なってきます。例えば、
- 自分の考えたことを表現するのが好きなのか?
- 論理的に考えた結果を伝えるのが好きなのか?
- 相手の困っていることを聞き出すのが好きなのか?
といった風に、そもそもモチベーションのタイプが違っているのです。
仮に自分の考えたことを表現したいタイプだとしたら、営業というよりもマーケティングや商品企画のほうが向いているかもしれません。また、論理的に話すのが好きだとしたら、コンサルタントのような職種の方がよいかもしれません。相手の困っていることを聞き出して気をきかせるのが好きなら、ひょっとしたら人事・総務といった仕事に向いている可能性もあります。
…このように、一口に「話すのが好き」といっても全て営業職に結びつくわけではなく、かなり異なっているのです。
自己分析をしない、ということはこういった違いがよくわからないまま就職する、ということになります。よくわからないまま、内定を得たとしても悲惨です。自分のことがよくわかっていないので、「自分の今の仕事よりも、あの仕事の方が向いている」と言い出し、いろんな職業を転々とすることになるかもしれません。
そうなる前に、きちんと自分で下した決断を納得出来るようにしておきましょう。
2.自己分析は「他人に伝えるため」
そして、自己分析をやる理由はもう一つ。
それは「あなたがどんな人間なのかを、なるべく効率的に他人に伝えるため」です。
面接というのは極めて理不尽なシステムです。たったの1時間程度の時間で、自分の約20年間を相手に効率的に伝えないと、自分が目指している職場に就職することができません。
なんて理不尽なんだ…と思うかもしれませんが、社会がこうなっているのです。反抗したくなる気持ちもわかります。が、自分の人生が伝えきれないほど複雑だとしても、伝える努力をしなくてはいけないのです。
そのためには、自分の性格をよく表す言葉を知っておく必要があります。
「自分は粘り強い」とか「チームワークにこだわる」とか「共感しがち」などなど。とにかく、こういった言葉を使わないと初めて出会った他人である面接官に「あなた」が伝わらないのです。
…この2つのニーズを満たすために、自己分析を行う必要があります。
逆に言うなら、必要最低限の自己分析とは、それを満たす自己分析なのです。
必要最低限の自己分析のステップ
- 自分が身近な人から褒められる時に言われる言葉を選ぶ
- その言葉から、具体的なエピソードを思い出す
- 言葉にする
これが本当に最小限の自己分析であり、第一歩です。
では具体的に説明していきます。
1.身近な人から褒められる時に言われる言葉を選ぶ
父親でも母親でも、友人でもお世話になった先生でも構いません。
以下のうちから、よく褒められる時に言われる言葉を選びましょう。
他人に関わる力
親しみやすさ / 気配り・ホスピタリティ / チャーム(可愛がられる要素) / 素直さ / 誠実さ / 真面目さ / 約束を守る / 協調性・チームワーク力 / 指導・育成力 / 働きかける力(巻き込み力) / わかりやすく伝える力 / 傾聴力 / プレゼンテーション力 / 理解力 / 調整・交渉力
自分に関わる力
決められたことをやり抜く力 / 忍耐力 / 継続力 / 粘り強さ / 実行力 / 活動意欲 / 集中力 / ストレス耐性 / 主体性(自分で考え行動できる力) / 挑戦心・チャレンジ精神 / 改善・成長意欲 / 前向き志向 / 学ぶ姿勢 / 度胸・本番に強い / 感情をコントロールする力 / タフさ(精神力) / 使命感・責任感 / 目標指向性・達成意欲 / パッション(情熱) / 探究心 / 面白みを見つける好奇心 / 変化対応力・柔軟性
課題に対する力
論理的思考力 / 物事の本質を突き止める力 / 課題発見力 / 企画力 / 計画力 / 想像力 / 提案力 / 分析力 / 広い視点で捉える力 / 正確性 / スピード / PCスキル / 文章作成力 / 計算能力
2.上の言葉から、具体的なエピソードを思い出す
これらの言葉から、なぜそう言われたのか?というエピソードを思い出してみましょう。
例えば「集中力」という単語を選んだとしましょう。「集中力がすごい」と言われた時は、どんな関係性の人が、何を見てそう言っていますか?エピソードを考えてみましょう。
例:
自分の「集中力が褒められた経験」…褒められたのは親。自分はそのとき、朝から夜まで、ゲームに熱中していた。ラスボスが強く、勝てないのが悔しかったので、ひたすら攻略サイトを調べ、レベル上げをし、最終的に2週間かけてラスボスを攻略した。
こういったエピソードを複数出してみましょう。一つのキーワードに対して、2-3個出すのが理想です。
…実は、これがあなたの「強み」になっているのです。
3. 順番に言語化してみよう
そういったエピソードが出てきたとしたら、順番に語る準備をしましょう。
- 結論
- 問題はなにか?
- 課題をどこに設定して行動したのか?
- その結果、どうなった?
この順番でエピソードを組み直してみましょう。
1. 結論…集中力
2.問題…ゲームのラスボスに2週間勝てなかった
3.課題…レベルとアイテムが足りなかったので、2週間ほど毎日レベル上げをし、攻略サイトを見てひたすらアイテムを集めた
4.結果…毎日5時間ほどやりこみ、2週間でラスボスを撃破した
これを就活風に言うと、以下のようになります。
私の強みは集中力です。ゲームのラスボスに2週間勝てなかったことがありました。そこで、レベルとアイテムが足りないことに気が付き、2週間ほど毎日5時間、レベル上げとアイテム収集を攻略サイトを見ながら行いました。結果として、2週間でラスボスを撃破しました。
こんなしょぼい話でいいの?と思うかもしれません。
が、いいんです。もちろん、いろいろ不足している部分はあります。が、本当に自己分析のエッセンスだけを取り出しているので、実際に面接官はこんな小さなエピソードでもあなたを評価することができます。
評価できるポイント
1.言われたことを素直にやる
→攻略サイトを見て、ひたすらアイテムを集めた
2.目標に対して、きちんとやりきる力がある
→打倒ラスボスに向けて、毎日5時間×2週間打ち込んだ
こんな感じでよいのです。
自己分析のコツは「嬉しい言葉」
とにかく自己分析で考えるべきは「嬉しい言葉」です。そして、そのエピソードを思い出し、補強していく。それが自己分析につながります。
こういった言葉を通して、あなたは納得できる決断を下せるはずです。
ぜひとも、やってみてください!
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