就活でよく言われるのが「大手病」という言葉。
その名の通り、ズバリ「大手、それも知名度が高い企業にしかエントリーできなくなってしまう病気」のことです。
大手病とは?かかるとどうなる?
大手病(おおて – びょう)【名】
大手病とは、就活生に特有の精神疾患の一つ。毎年、一定数の就活生に発症することが知られている。
罹患すると、「知名度が高い」と自分が思っていて、かつ自分が知っている企業にしかエントリーしなくなってしまう。一般消費者に良く知られている企業群(トヨタ・ソニー・三菱・三井・JRなど)にしか申し込まず、それ以外の企業を全て「下請けや子会社並みの存在でしかない」と一蹴。さらに、それらの企業の志願者までも馬鹿にすることもある。
その原因は学歴や自分の境遇に対して抱えているコンプレックスであり、「自分は大手に入らなくてはいけない」と思い込んでいるので自らを客観視できず、悪化しやすい。「大手企業」という権威で、自分にとって都合の悪い部分から目を逸らそうとするのが原因である。
最悪の場合は就活で無い内定(NNT)となり、その現実が直視できず、就活からの逃げに走る。
【例文】「彼は大手病にかかったので、財閥系の企業にばかり申し込んでいる」「大手病で就活がうまくいくことはない」
【類語】「外資病(がいし-びょう)」「コンサル病(-びょう)」
…と偉そうに書いてみましたが、実は大手病は私も一時期かかってました。さすがに他人を攻撃はしていませんが笑
さらにぶっちゃけると、その時の選考結果はさんざんでした。大手病を辞めた後からうまくいくようになり、「ああ、これじゃダメなんだな」と思った経験があります。
自分が大手病かも?と思ったら、チェックリストを作ったので確認してみてください。
3つ以上あてはまるなら、かなり危険水準です。4つ以上なら、残念ながら自覚がないかもしれませんが大手病に罹患してます。
ちなみに、大手病には似たような存在として「外資病」と「コンサル病」があります。
- 外資病
外資系企業を崇拝し、知名度が高い外資系企業しか受けない。IBM、ネスレ、コカ・コーラ、P&Gなど。 - コンサル病
コンサルにしか自分の活躍の場がないと信じ、コンサルしか受けない。マッキンゼー、ベイン、PWC、アクセンチュア、デロイトなど。
大手病の行きつく先は?その経過は?
では、自覚せずにずっと大手病に罹患しつづけたまま放置すると、どうなるのでしょうか。
- 初期:大手にしか興味がなくなり、それ以外のエントリーを渋る
まず、最も初歩的な段階では、「単に自分が知っているから」「入社したら自慢したいから」というだけの理由で、一般消費者の知名度が高い企業にばかり申し込もうとします。自分がどんな仕事をしたいかは考えることなく、単に自慢したいだけで行動しているので、自己分析や業界研究はやらないことが多いです。
そのまま自分の知っている大企業にだけエントリーして、同じ業界であっても知名度が高くない同業他社には申し込まなくなります。 - 中期:うまくいかない現状を直視できなくなる
初期に申し込んだ選考を受けるにも関わらず、比較的選考初期の段階で落とされる現象が多発します。それでも「大手で競争率が高いから、そんなこともある」と自分を正当化し、相変わらず大手という理由だけで全く関係のない業種の大企業にエントリーし続けます。
その結果として全く改善されないまま、ひたすら落とされるだけの時間が過ぎていきます。 - 末期:無い内定に陥り、就職留年するかベンチャー企業を漁る
最終的には就活末期になり、8割の内定が出そろう時期になっても就活を続けています。この頃になるとさすがに自分のやっていることが正当化できなくなりますが、都合が悪いので決して間違いを認めようとはしません。
その結果として「今年はチャンスはなかった」という理由をつけて就職浪人しようとするか、「ベンチャー企業で圧倒的に成長する方がいい」などと言って、余りものの求人にありつくことになります。
どうでしょうか?なかなか悲惨な未来ですね。
大手病だと、なぜ上手く就活できないのか
そんな大手病ですが、うまく就活できることはほぼありません。
仮に内定を得て就職しても、その企業に興味がなく、大手というステータスに興味があるだけなので仕事が辛くなり、長続きせずに転職しやすい傾向があります。
実は、こういう「すぐ辞めちゃう人」は、新卒採用の敵。なぜなら、新卒は最初の数年間は稼いでくれない、企業にとってお荷物だからです。つまりすぐに辞める人を採用すればするほど、効率の悪い新卒採用をしていることになります。
すぐに辞めそうな学生は人事が血眼になって排除するタイプの学生であり、新卒採用そのものが「実は企業に興味がない人を振るい落とすように設計されているのです」。
なので、大手病にかかった人はかなり正確に落とすことができるようになっています。上場企業が本気を出せば、いらない学生を落とす仕組みを作ることは簡単なのです。決して大手病にかかったまま、うまく就活を乗り切ろうと思わないことです。
大手病は、どうやったら治る?
では、大手病はどうやったら治るでしょうか?
それは、以下の質問に答えてみてください。
いったん「他人に自慢できる」は全て忘れてください。それを抜きにして、どんなチームで、どんな立ち位置にいたら自分は楽しく働けていそうですか?
- 難しいプロジェクトを任され、それに対して粘り強く考えることでしょうか?
- 新しい企画やビジネスを考えて、それに対して全速力で行動している時でしょうか?
- 自分の仕事で、誰かの笑顔が見れた時でしょうか?
- 多くのお金を預かって、投資をして増やした時しょうか?
- リーダーのサポート役として、様々な調整をしている時でしょうか?
いろいろあるはずです。人によって違います。正解はありません。
ただ、間違いなく「自慢できる」という要素は抜きにして就職先を考えた方がいい。
なぜなら、社会人になると人間関係は殆どリセットされるからです。
「サラリーマンやOLは出会いがない」という話、聞いたことありませんか?彼らもかつてはみなさんと同じ大学生で、友達もたくさんいたはず。なのに、社会人になった途端に同世代の出会いがなくなるのです。それほど、社会人になると今の人間関係は消え去るものだと思ってください。
いま、誰かに自慢できるなんてのは、くだらない要素なんです。
さらにもっとぶっちゃけるなら、大手だからと言ってモテませんよ。私がいま大手で働いているので間違いありません(悲しい…)。だいたい、大手だからと寄ってくる異性にろくな人はいませんよ!これはマジです。
もう一度、書きます。自慢できる、は抜きにして自分が楽しい仕事をやりましょう。それが結局は大手に入る近道になります。
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