夏が過ぎると、すぐに気になってくるのが秋冬インターンの存在。参加しないとヤバいのでは…?と焦っている就活生も多いでしょう。
また、それとは別に「夏インターンに受かったんだし、秋冬インターンもいけるっしょ」と、余裕ぶっこいている学生の方もいるのではないでしょうか?ちなみに私が就活生だったときは、そう思って調子に乗っていました。…が、うまくいかなったんです。笑
この記事では、そんな秋冬インターンの実態と選考対策について、上場企業で人事関係→複数企業で人事施策→現役で上場企業に勤める筆者が、解説していきます!
秋冬インターンとは?夏インターンとどう違う?
秋冬インターンは、そもそも夏インターンとは異なります。インターンを開催する理由がそもそも違うのです。
一言で言えば「夏インターンでは企業のファンになってほしい」のに対して、「秋冬インターン以降は採用の一部」というところで大きな違いがあります。
これだけではよくわかりませんよね。
そこで、私の体験談を話しましょう。
当時大学生だった私は、3年生の梅雨の時点で就活を意識していました。
かなり早い段階で複数企業の夏インターンに申し込んだため、志望業界の複数のインターンに参加することができました。参加した手応えもあり、ここまでは順調でした。
そして秋冬インターンの応募開始。夏インターンで受かっていたこともあり、ESの書き方なども慣れています。さっそくネットからESを投稿し、片っ端からインターンに参加を申し込みました。
…ところが企業から届くのは「貴意に添えない結果になりました」というお祈り文句ばかり。挙げ句の果てには、夏インターンに参加できた企業からも不参加通知が届く。10社くらいに落とされて始めて、「…あれ、これってヤバいのでは」と焦り始めました。
夏インターンに通って楽勝だと思っていたら、秋冬インターンでは全然違ったんです。
実は、こういう話はチラホラ今でも聞きます。夏インターンで通過したESをコピペして「いけるっしょ」と思っていたら、全く受からずに冬になってしまった。中には50社くらいからインターンで落とされ続けた人もいるほどです。
この記事の冒頭でも書きましたが、私は社会人になってから複数企業の人事に関わっていました。なので、今ならなぜ落とされたのかがわかります。それが「夏インターンはファンになってほしいだけ」「秋冬インターンは採用モード」という違いです。
夏インターンは一番ゆるい候補者に入ったに過ぎない
多くの企業で、夏インターンを開催する理由は「母集団形成」という言葉を使って説明されています。「母集団」とは採用戦略の言葉で、企業に申し込んでくれそうな(将来の社員も含めた)人たちのグループのこと。アイドルで言うなら研修生、プロ野球で言うなら甲子園のようなものです。ざっくり大まかな候補者のグループをつくり、そこから厳しく選別していく。これが企業側から見た採用です。
夏インターンというのはその最初の段階に過ぎません。すなわち「母集団形成」、アイドル研修生のオーディションをしたり、甲子園出場前の県大会予選をやるようなもの。
…そう、ここでもう気がついた人もいるかもしれません。
オーディションに受かって研修生になったからといって、いきなりアイドルにはなれない。
県大会予選に勝ったからといって、いきなり甲子園優勝にはならないし、ましてやプロ野球選手になれるわけでもない。それと同じで、夏インターンに受かるのは「その企業の一番緩いグループの候補者になった」という意味でしかないんです!
秋冬インターンでは、採用を見据えてギアが上がる
アイドルでも高校野球でも、ずっと研修生をしていたり予選で遊んでいることが許されるわけではないですよね。インターンも同じです。夏が終われば、どんどんギアが上がっていきます。企業は最初はゆるい選別をしていても、次第に厳しく評価をするようになります。
具体的には、夏インターンの段階では
- 「御社のファンなんです!」
- 「理念に共感しました!」
- 「御社の業界に興味があります!」
という言葉を使えば、だいたい受かるでしょう。ところが、秋冬ではこうはいきません。
- 「御社のファン」
→ファンだから、うちの事業にどう貢献してくれるの? - 「理念に共感」
→あなたの気持ちはわかったけど、それがどう採用する側のメリットになるの?
「業界に興味がある」
→興味があるから、何なの?そんな人はいっぱいいるけど、他の人との違いはなに?
…という、厳しいツッコミに晒されるのです。
あまりにも厳しすぎる、学生にこんなことを訊くな!という学生のみなさんの逆ギレが聞こえてきそうですが…大丈夫です。相手がそのレベルを求めてくるのですから、きちんと準備すればいいだけの話。準備する方法もご紹介します。
秋冬インターンに受かるにはESの底上げから
まず、ESのレベルを上げていきましょう。具体的には「理念に共感」「業界に興味」といった、曖昧な言葉を使わない。そのうえで「相手企業にとってどのような貢献ができるのか」をきちんと固めたESを書くようにしましょう。
具体的には、以下のようなテンプレートに沿った形で考えるのがよいでしょう。
私が社会人生活を通して、○○を実現したいと考えています。そして✗✗が得意なので、御社の□□(事業や仕事)で価値を発揮できると考えています。その現実を知りたいと考え、御社のインターンシップに申し込みました。
これが志望動機のテンプレートになります。
まずは自分が何をしたいのか考え、その企業がどのように自分がやりたいことに役立つのかを考える。全然関係ない、もしくは関連が薄いとしたら、その企業に自分は本当に申し込むべきかを考え直した方がよいでしょう。
そして、次に自分が得意なことを考えます。得意なことと言っても、なにか劇的な成功体験である必要はありません。自分が他の人よりも根気よく続けられること(最初はゲームなどでも構いません)を書き出していきましょう。そして、その企業にとって書き出した自分の長所がどのように役立つかを考える。
あとは、その長所が企業にとってどのようにメリットになるかを書くだけです。この3ステップを踏むことで、質の高いESを作っていくことが可能になります。
ESの話ばかりしているようですが、これをきちんと考えると面接対策も非常に楽になります。なので手を抜かずに、きちんと考えるようにしましょう!
秋冬インターンに参加するメリットとは?
ここまで、秋冬インターンにどのように参加するか、という話でした。
そこまでして頑張ると、どのようなメリットがあるのでしょうか。また、デメリットはあるのでしょうか?
秋冬インターンのメリット1:本選考の予行練習になる
秋冬インターンに参加すると、大きなメリットとして「本選考の予行練習になる」があります。
前述の通り、夏インターンは「予備軍、ファンづくり」なのに対して秋冬インターンは「採用を見据えた絞り込み」が目的になってきます。つまり、仮に選考とは関係ないと書かれていたとしても、秋冬インターンで目立った活躍をした人が本選考で有利になることはあります。
そのため、本気で望めば「本物の企業で予行練習ができる」ということにもなります。少しでも就活に興味があるなら、絶対に外しておけないイベントと言えるでしょう。
秋冬インターンのメリット2:企業のイメージを掴める
さらに秋冬インターンでは、より採用を目的としたコンテンツが増えているために企業の実際のイメージもつかみやすくなっている傾向があります。
例えば、社員の座談会だったり、質問時間が長く取られていたりします。
それに加えて、社員と実際のイメージを掴むことで本当にその企業に申し込むかを再考するきっかけにもなります。例えば、あなたが「将来ガツガツ働きたい!」と思っていたとして、実際にその企業の人と話してみたら「思ったよりものんびりしていた」という印象を持つこともあります。そうすると、実際にガツガツ働くことがその企業で現実的なのか?を調べなくてはなりません(OBOG訪問をしたり、説明会で質問をするなど、確かめるやり方はいくつかあります)。
しかし、インターンに参加しなければこういった「リアルな肌感」がわからないということになります。そのため間違った思い込みのまま本選考に参加することになり、原因もよくわからないままに苦戦する…といったことが起こる可能性が高くなるのです。
こういったミスマッチを防ぐためにも、インターンは絶対に参加しておくべきでしょう。
秋冬インターンを成功させるコツは?
さて、秋冬インターンに参加してもイマイチだった…ということは、普通にありえます。
せっかくの時間をその企業のために使うのですから、有効活用したいですよね。そこで、秋冬インターンをなるべく使い倒す方法をご紹介します。
秋冬インターンは「仮説検証のため」に使う
秋冬インターンに参加するなら、絶対になんとなく参加するのはやめましょう。それよりも「自分はいま、この企業の○○という点を魅力だと思っているが、それは本当なのか?」という、自分なりの仮説検証のために秋冬インターンに参加しましょう。
例えば、前述の志望動機のテンプレから「自分は根気よく目標に向かって練習するのが好きで、それが御社に役に立つ」と考えたとします。それでインターンに参加できたとしたら、「自分の根気の良さは、御社の何に役に立ちそうか」を探して、必ず持ち帰るようにしましょう。
仮に自分の長所が活かせるイメージが持てないとしたら、それもまた一つの成果でしょう。
秋冬インターンは「情報収集のため」に使う
そしてもう一つ。秋冬インターンともなると、似たような志望動機を持つ、就活生同士が集まっていることが多いです。どのような人が多いのかを把握し、互いに情報交換をするのもよいでしょう。
また、企業に対しても同じです。自分が興味関心があることに、どれだけ素直に質問できるかが就活の成果を分けます。妥協したりせずに、どんどん質問していきましょう。
秋冬インターンは「志望動機」が重要!
いかがだったでしょうか。秋冬インターンでは、「志望動機」が極めて重要になってきます。
そして、きちんと答えられるテンプレもご紹介してきました。
が、このテンプレ通りに書こうとしたら「なにも思い浮かばなくて書けないんだけど」という方、結構多いと思います。なぜなら就活生時代の私がこのテンプレを貰っても、みなさんと同じように苦戦するだろうと思うからです。
でも、それでいいんです。なぜなら、この質問そのものがそもそも多くの学生が苦戦するように作られているから。仮に多くの人が苦戦しないなら、企業は候補者を選別できませんからね。笑
あなたが悩みきちんと考えて書けば書くほど、あなたは他の就活生よりも確実に抜きん出た存在になれる、ということです。苦戦しながらでも書いてみることをオススメします!
元上場企業の人事が「差がつく質問の答え方テンプレ」を作りました
さて、他にも何パターンか「差がつくように出来ている、学生にとって答えづらい質問」があります。例えば
- なぜあなたは当社を選んだのですか?同業他社ではダメですか?
- あなたにとって仕事とはなんですか?
- 5年後、10年後、あなたは当社でどうなっていたいですか?
…などなど。こんな質問、いきなり面接で聞かれたら不安になりますよね。
でも大丈夫です。これ、みんな答え方に「テンプレート」があります。
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