就活生のみなさんの中には、せっかく就活をするのであればゴリゴリ働いて稼ぎたい!という人もいるでしょう。就活生のときの私もそう考えていました。
それから数年。売上が年間ウン兆円レベルの上場企業から、数千万円レベルのベンチャーに至る複数の企業で働き、人事関係者としていろいろな人を観察してきました。そんな経験から、少しづつ「優秀な人」の共通点がわかってきたように思います。
そんな私の経験から、優秀な人になりたい就活生のみなさんのために「就活をする前に知っておくといいこと」をまとめました。ぜひ、なにか参考にできる部分があるなら幸いです。
今からご紹介することは私なりの意見であって、他の諸先輩方の意見を否定するものではありません。その点をご承知おきください。
企業において優秀=「サプライズ」ができる人?
まず最初に、少し考えてみてください。
就活生のあなたが「優秀な人になりたい」と思うとき、いったいどんな人の姿を思い浮かべるでしょうか?
かっこよくプレゼンをして、大きな契約を決めてくる姿でしょうか。
それとも、無理だと思われるような目標を大きく超えた成果を挙げること?
…「優秀さ」という言葉には、いろんな考え方があるはずです。
ここではいったん、優秀とは「周囲の予想に反して、大きな成果を出す」こと、つまり周囲に「良いサプライズ」をもたらす人を優秀だとしましょう。単純に就活生のときの私はそう思っていたので、ここではそういう定義とさせてください笑(後で他の定義も検討します)
では、リアルだとどうなのか。
実際の企業において、「サプライズ」な人は優秀だとされるのでしょうか?
大企業における優秀さ=「決まったことをこなしつつ改善する」
現在の私は、売上が兆の桁に届いている大企業で働いています。就活ランキングでも上位をキープし続け、給与水準も高く、新規事業にも熱心に取り組んでいます。
その現場から言いましょう。こういった大企業では、優秀な人の定義は明確に違います。「サプライズ」は期待されていません。大企業において優秀な人というのは、求められたことを着実にこなしつつ、周囲を着実に巻き込みながら改善していける人です。
大企業における会社員というのは、少なからず歯車の一部です。決められた仕事がやってきたら、それを決められたとおりにこなす。それが歯車として期待されていることです。決められた通りに回らない歯車は役立たず。まず決められたことを正確にこなすのが、会社員として最低限必要なことです。
「決められたことばかりこなすなんて、無理!」と叫ぶ前に、少し待ってください。
実は歯車として決められたことをこなすだけでは、大企業では「優秀」ではないのです。それはごく一般的な会社員でしかありません。回ってるだけじゃダメなんです。「優秀な人」になるためには、もうひと工夫が必要です。
それがオペレーションを改善していくことです。
決められたことをこなすだけでなく、それをもっと効率よくできるようにする、もしくはもっと成果が出るように変えていく。しかし、目立ちすぎてはいけません。あくまで自分とチームで協力しながら改善していく。もちろん改善と同時に、最初から求められている「歯車としての仕事」も同時に完璧にこなさなくてはいけません。
ちょっとわかりづらいので、図にしています。
いくら優秀であっても、決められた仕事はきちんとこなす。つまらないと思っていても、やらなくてはいけない仕事はあります。そのうえで周囲の歯車を見渡して、シレッと改善する検査官の役目も果たす。しかしこの検査官は威張ってはいけません。あくまで会社員としての節度を持って改善していくのです。
これが「大企業における優秀さ」です。サプライズはありません。期待されている仕事をひたすらこなし、さらに地味な改善を積み重ねる人です。
…多くの就活生が思っている姿よりも、ずっと地味な姿ではないでしょうか?多かれ少なかれ、日本の大企業ではこのような人が好まれ、また出世する傾向にあります。
ベンチャーにおける優秀さ=「サプライズを起こし続ける」
それに対して、ベンチャーにおける優秀さは少し違います。
ここにおけるベンチャーとは、従業員数人あまりで、売上も億に達していないようなごく小規模な企業やスタートアップのことを指していいます。従業員が数百人単位でいて、上場も近いうちに見据えているようなミドルベンチャーや、すでに上場している「なんちゃってベンチャー」とは明確に異なります。
こういった規模の会社において必要なのは、「サプライズを起こし続けること」。つまり、周囲から期待されてもいなかったような、大きな成果を出し続けることです。図にすると、こんな感じ。
この図では3回の成功で優秀、ということになっていますが、あくまで回数は適当です。実際にはもっと何回もサプライズを起こし続けないと、優秀ということにはならないはず。
売上が億にいかず、従業員も数人もいないような企業では、決まったオペレーションというものは殆どありません。創業社長の百人力の頑張りによってなんとか会社が回っている、というのが実情です。そのため社長がアドリブ的にこなしている営業やマーケティング、広報や法務といった仕事をどうやって社長よりも効率的に部下が回していくか、というのが目下の課題になります。
「社長よりもその仕事がうまい=サプライズ」を起こすことでしか、創業して間もないベンチャーで会社員としてやっていくことはできません。大企業的に決まったオペレーションがあって、それを改善していくことが優秀なんだ!と思っていると、つまづくのがココなんです。逆にベンチャーで新卒で入るなら、それくらい上手くやれると思っていないと入れないということなんです。
ベンチャーと大企業の中間なら、サプライズと改善は半々くらい
ここまで大企業とスタートアップという、両極端な例を取り上げてきました。では、その中間くらい、大企業というほど規模が大きくなく(従業員数は数十人)、スタートアップというには規模が大きい企業(売上が十億円を超えるくらい)の場合、どうなのでしょうか?
こういった企業における優秀さは、「サプライズ」と「地道な改善」はそれぞれ半々くらいずつ期待されている、と言うべきでしょう。
従業員が数十人くらいで新卒として入ると、いちおう上司がいるものの、その上にはいきなり事業責任者か社長クラスがいる、というのがほとんどのケースでしょう。このような場合ではその上司は大抵、事業責任者からの高い数値目標を負わされています。
新卒であるあなたの上司は一応、決まったオペレーションのある仕事をくれます。が、それをこなしながら、サプライズ的な成果を挙げることも同時に期待されています。このクラスの企業では、よくよく目をこらすと改善の余地がある仕事をしていることがたくさんあるので…。
このように書くと、なんだか大企業とベンチャーの良いところ取りのように聞こえてしまうかもしれません。大企業やベンチャーに行くよりも、中規模企業の方がいいのではないか…。そう考えたくなる気持ちもわかります。
ですが、実際は厳しいケースがほとんどです。あなたがサプライズ的な要素は挙げたとしても、それをきちんと認めてくれるほどの立派な上司や事業責任者ではないかもしれません。もしくは、せっかくサプライズがあったとしても、それが全く意味をなさないほど、事業を取り巻く環境がすぐに変わってしまうかもしれません。
ベンチャーと大企業の中間規模の会社で働く場合、人に恵まれないとかなり厳しい戦いになることは覚悟すべきです。
企業規模で「優秀さ」の定義は違うよ、というお話
いかがだったでしょうか。少し、就活生のみなさんにとっては難しい話だったかもしれません。
が、会社の規模によって期待される優秀さは異なる、ということは覚えておいて損はありません。筆者はまず会社員としての型を作ってもらうために大企業に行くことをオススメします。が、一生大企業に居たほうがいいとは思っていません。人生は思ったよりも短く、あなたの憧れる姿を実現できるような企業に行かないと、つまらない会社員で終わってしまいます。
ぜひ、就活生のみなさんは「自分は結局どんな環境で働いて、認めてもらったら幸せなのか」を考えてみてください。企業はあなたの幸せを実現するための舞台のようなもの。しょせん、ツールに過ぎないのです。道具に目を奪われすぎることなく、きちんと自分の幸せについて考えるのが、納得のいく就活の第一歩ではないでしょうか。
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