最近の就活界で流行りの新卒向けスカウトサービス。
OfferBoxやDODAキャンパス、キミスカ、irootsやニクリーチなど、数も多いです。恩恵を受けている就活生も多いでしょう。
…が。全くスカウトされなかったり、いまいちなスカウトしか来ない!と悩んでいる人も多いはずです。また「もっとスカウトされたい」という人もいるでしょう。
そこで、この記事では最近流行りのスカウトサイトの裏側や、就活生が知っておくべき攻略法をまとめてご紹介します。ちなみに結論はこちら。
- スカウトサイトのプロフィールでも、最初に結論・概要を書く
- ありがちな「採用コンセプトから逆算したキーワード」をプロフィールに盛り込む
- 頻繁にログインする
- いらないオファーは早めに辞退
どういうこと?という方も多いでしょう。そこで、丁寧に解説していきます!
筆者について
「いや、お前誰やねん!」という方のために、簡単に自己紹介しますね。
筆者のYMは、もとは上場企業で人事部長とくっついて人事まわりの仕事をやっていた人です。
その後、独立。某スカウトサービス(今も急成長中です)でマーケティングをやり、チームの力でなんとか売上を半年で3倍まで持っていきました。今は辞めているので、早い話が「元スカウトサイトの中の人」です。
そのため、スカウトサービスの内情やお客様にはそれなりに詳しい…はずです。もちろん人事業界には経験豊富な先輩方がたくさんいらっしゃるので、「オレが業界のエキスパートだ!」とは言えませんが、「ちょっとだけ詳しい」と言う資格はあるかと思います。…思いたい。
では、本題に行きましょう。
学生はスカウトサービスの「お客様」ではない
まず大前提。学生はスカウトサービスにとっての「お客様」ではありません。
スカウトサービスのお客様は企業です。学生はお金を払わない「単なる無課金ユーザー」です。
それでもスカウトサービスが運営できているのは、企業がお金を払ってくれているからですね。ここらへんの構図は「大手ナビサイトと全く同じ」です。
では、どのくらいのお金がかかっているのか?
これは場合によるのですが、内定承諾者一人あたり50-80万円が多いです。企業はそれだけのお金をスカウトサービスの運営に支払っています。
そして、スカウトサービスを運営する企業にとって重要なのは「売上」です。基本的には使ってくれる企業が増えれば増えるほど、月額料金制だろうが成果報酬だろうが「売上が伸びる」ことになります。
よってどのスカウトサービスにも法人営業部隊があり、新規開拓にしのぎを削っています。つまりスカウトサービスにとって優先順位は
(お金を払ってくれる)企業ユーザー > 学生ユーザー
です。つまりサービスの改善とは「主に企業側の要望・期待を満たすこと」です。実際「51対49の比率で企業側を大切にしろ」と、よく言われますね。
スカウトサイトのお客様はやっぱり企業なのです。
売上を伸ばしたいスカウトサービスの場合
スカウトサービスとて、売上が無ければ死んでしまいます。
それでは、どうやって売上を確保しようとしているのか。これを知ることで、スカウトサービスの欠点や攻略法も見えてきます。
スカウト無制限で雑なオファーがはびこる
スカウトサービスの運営として、もっと売上を伸ばしたい!
そうだ。使ってくれている企業がもっと採用してくれればいいんだ。
売上が増えるし、サービス継続率も伸びるぞ!
企業が人をもっと採用できるように、スカウト打ち放題にしましょう!
…こういう会話は、必ずどのスカウトサービスの運営でも一回は行われるはずです。この「スカウトをたくさん打ってほしい!」という思いが大きすぎると、スカウト数無制限のサービスが爆誕します。
スカウトが打ち放題になったら、企業はどうするのか。
スカウトを送るのは事実上タダですから、大量にスカウトを送るようになるだけです。しかも丁寧には送りません。テンプレートのオファーをそれっぽい学生に大量に送りまくる、いわゆるテンプレオファーがはびこるのです。一斉送信機能がついているサービスまでありますよ。
当然、一通一通の重みもなくなります。よって「大してマッチしていないスカウトが沢山届く」という状態になります。
スカウト制限のあるサービスでも、1人3分しか見ないのが現実
もちろん、あまりマッチしていない粗製濫造スカウトが溢れるのは、学生にとってよくありません。なのでスカウト数に制限を儲けているところも多いです。例えばdodaキャンパスは400通/月、ゼロワン新卒スカウトは100通/月です。だいたい500通/月以下が普通ですね。
「500通/月以下なんて、意外と少ないな」と思ったあなた。実はそうでもありません。
まず、企業の営業日数は月20日。月400通送れるなら、1日20人スカウトしないと枠を使いきれません。しかも、人事は忙しい。一日中スカウト作業ばかりしているわけではありません。せいぜい1日1時間程度でしょうか。となると、いくらプロフィールを作り込んでも1人3分程度しか見ていないという計算になりますね。
しかも、これはスカウトしない人のプロフィールを見ている時間も含めた平均時間です。その3分間に、就活生に送るオファーの文章も作らなくてはいけません。まあ無理ですよね。
なので「オファー定型文機能」があるわけです。これはスカウトサービスにはごく普通の機能の一つ。以下のようなテンプレートを使いまわせる、というもの。
はじめまして、$企業名$の$アカウント氏名$です。
当社は、≪●業界≫を中心に、≪●事業概要・サービス 内容≫を運営している、≪●大手企業 / 老舗企業 / ベンチャー≫企業 です。
https://www.benesse-i-career.co.jp/company/pdf/dodacampus_manual.pdf
あなたのプロフィールを拝見して、特に≪●プロフィール内容≫のエピソード から、≪●学生の長所≫を強く感じ、オファーをいたしました。
もし、オファーを承認頂けましたら、お会いできる日程候補をお送りさせていただき、
面談にて当社の働き方や業務内容・やりがいなどを詳しくお伝 えできればと思います。
お会いできることを楽しみにしております!
————————————————–
$企業名$
$アカウント氏名$
————————————————–
…よく見かける文章ではないでしょうか?
検索画面の攻略でスカウトを増やせる
少なくとも、あなたのプロフィールを懇切丁寧に読んだ人事が、心を込めてオファー文章を送っている企業は少ないです。そういう企業もあるにはありますが、残念ながら少数派でしょう。
では、実際の企業担当者は、どのようにスカウトサービスをどう使っているのか。
企業はキーワード検索しているだけ
まず、企業にとってのスカウトサービスの基本的な使い方は「プロフィール検索」です。具体的には、企業の担当者が以下のように決めます。
「次の100年を作る人材」。
これが採用コンセプトだから…「挑戦」で検索するか!
こんな感じです。
どういうことか。企業には「理想の人材像」「採用ペルソナ」といったものがあり、それに近いプロフィールを持っている人を採用したい。よって、その「理想の人材像」がプロフィールに書き込みそうなキーワードで検索すれば、理想の人材像に近い人が採れるはずです。
例えば「次の100年を作る、積極的な人材」が採用の全体コンセプトだとすれば、
- 新規事業を作ったりできるタフな新卒人材を採用(=採用コンセプト)
- 何かしら「挑戦した経験」を持つ人材が欲しい(=理想の人材像)
- 『挑戦』でプロフィール検索する
という風に繋がります。
並び順はログイン順×プロフ充実度順が多い
とは言っても、ユーザー数が10万人以上いるようなサービスでは、検索しても数千人が該当することは珍しくもありません。その中から、どうやってスカウトする学生を選んでいるのでしょうか?
繰り返しになりますが、人事の現場では丁寧にプロフィールを読むことはまずありません。検索して上に表示された人から「さっと読み」、スカウトしているだけです。そしてスカウトサービスの運営もそれを知っているので、特定の条件を満たした人が検索結果で上の方に出るように調整しています。
大まかには、検索結果は「最終ログイン日時」と「プロフィールの充実度」で順番が決まります(実際にはもっと複雑ですが、この2つが大きい要素です)。
最終ログインとは「学生が最後にそのサービスにログインしたのはいつか」ということ。たまにしかログインしない人よりも、頻繁にログインする人の方がスカウトを受けてくれるはずだからです。最終ログインが最近の人のほうが上に出ます。
プロフィールの充実度とは、あなたがどのくらい熱心にプロフィールを書いたのか、ということ。埋まっている項目の数や文字数、添付ファイルの有無(画像や動画、PDFファイル、スライドの有無)でも決まってきます。もちろん、きちんと埋めている人の方が上に出ます。
人事はこれを見て、上から表示される人のプロフィールを「さっと読んで」スカウトを送っているのです。
「就活生が受け取っているオファー数」を企業は知っている
さらに、企業からは「その就活生が受け取っているオファーの数」もわかります。
例えばあなたが10社同時にスカウトを受けたとしたら、どうでしょうか。現実的に考えて、対応しきれませんよね?
よって「この方のオファー数は現在3です」「5です」といった、数字が見れるようになっているサービスもあるのです。5社以上になると対応しきれないという考え方から、5社以上オファーを受けると検索順位が下がる仕組みを導入しているサービスもあるでしょう。
就活生を有利にスカウトするために、スカウトサービスでは企業側にありとあらゆる情報が表示されている、と考えればまず間違いありません。
スカウトサイトの攻略法は?
ここまでの情報から、スカウトサービスを有利に使うためのコツをご紹介します。
- スカウトサイトのプロフィールでも、最初に結論・概要を書く
→長ったらしいプロフィールは読まれません。最初に結論・概要を書きましょう。 - 採用コンセプトから逆算したキーワードをプロフィールに盛り込む
→「挑戦」「貢献」「チームワーク」などなど。 - 頻繁にログインする
→完全放置はまずいです。1日に1回程度のログインはしましょう。 - いらないオファーは早めに辞退
→「これは無いな」というオファーは、早めに辞退して枠を空けましょう(できるサービスのみ)
これがスカウトサイトの仕組みから逆算した「攻略法」です。
もしあなたがスカウトサイトで困っている場合は、ぜひ参考にしてみてください。そして、何よりも重要なのは「期待しすぎない」こと。スカウトサービスは便利ですが、万能ではないのです。
筆者も登録した、使えるスカウトサイト
さて、そんな私が実際に使ってみたスカウトサイトを実際に紹介したいと思います。そしてスカウトも明確なキャラがありまして、本当に使えるサービスもあれば、使えないのもありました。
ここでは私が使ってみて、良いなと思ったサイトを紹介します。
Offerbox
日本で最大級のスカウトサイトであり、登録者は13万人、利用企業は6000社ほど。しかもオファーのクオリティは申し分なく、大手企業からもオファーが届くのが特徴的です。しかもコロナの影響を受けて、利用企業が増大したことが知られています(説明会などの物理的な接触を避けることができるため)。就活生が内定をゲットするチャンスです!
キミスカ
Offerboxと並ぶ最大級のスカウトサイトの一つであり、とにかくたくさんオファーが来るのが特徴です。しっかり情報を登録すれば200件近いスカウトをもらうこともできました。大量にスカウトが来るという性質を生かして、企業ウケする自己PRを実験する場としても使うことができます。また、適性検査のクオリティもびっくりするほど高いです。
…ちなみに、Offerboxとどっちを使おう?と迷っている方は、両方とも使いましょう。オファーは多すぎるデメリットはないですからね!
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