したい仕事なんかないです。よく分からなくなってきました。
もう疲れちゃったんですよね…
就活で、こう悩む人は沢山います。
かくいう私もそんな一人。かつて就活をしていた時はどうすればいいのか分からず「結局、お金のためにやってるんじゃん!」みたいなことを言い出し、結果として迷走。50社ほど落ちまくったあげく、最終的には個人事業主になるハメに。
幸いその後はなんとか持ち直し、転職して就職ランキングにも載る大手企業で総合職をやっています。人事関連の仕事も経験しました。人生、不思議なものですね。
今回はそんな経験者の目線から「やりたい仕事がない」「したい仕事なんてない」就活生が知っておくべきことを書いていきます。迷っている方の参考になれば幸いです。
「したい仕事が見つからない」と悩むのはチャンス
まず、「したいことがない」とあなたが悩むのは、実はチャンスなんです。なぜなら、今それに気がついているから。きちんと考えて行動するための時間がまだあります。就活で考えて行動して、軌道修正すればよいのです。
新卒として入社してから「やっぱり自分のやりたいことは違いました」なんて言い出すよりもずっとマシです。こういう人は辛いですよ。
入社してからやりたいことに悩むよりも、いまきちんと悩んで行動したほうが結果として時間を無駄にせずに済む。
実際、世の中の社会人一年生には「やりたいことと違いました」とか言って、入社して数日で辞める人が一定数います。いま「きちんと悩める」ということは、あなたにはまだ選択肢があるということ。正しい道を選べるということでもあるのです。
ただ、選択肢を与えられると人間は悩みだしてしまう生き物。選択肢に悩んだ結果、行動が遅れて内定が取れないようでは本末転倒です。
かといって、とりあえずがむしゃらに動いても辛いのも事実。というのも、「とりあえず」と言って薄っぺらな動機で就活をしているだけでは、どうしても無理がきます。具体的には、志望動機を掘り下げられると辛い。やっぱり嘘の志望動機ではどうしても通過することはできません(お恥ずかしいながら、私もやっていました。見事に落ちました)。
何も行動しないと選択肢がなくなるし、かといってがむしゃらに行動してもダメ。となると「きちんと考えながら行動する」ということが重要になってくるんですね。
「ライフワーク」と「ライスワーク」を区別しよう
では、どう考えるべきか。
一つ、面白い考え方をみなさんに紹介します。それは「ライフワーク」と「ライスワーク」です。
- ライフワーク
ライフワークは、生涯をかけてやる仕事。画家なら絵を描くことでしょうし、ミュージシャンなら曲を作って演奏することのはず。自分が面白いと思っていて、誰からも何も言われなくてもやる仕事のことです。趣味に近い側面もあります。 - ライスワーク
ライスワークは、いわゆる飯の種。食っていくためだったり、自分が好きなことをやるために「稼ぐ仕事」です。そして、ある程度嫌いなことでも割り切ってやらなくてはいけません。例えば、殆どの大学生はアルバイトがライスワークと言えるでしょう。俳優の卵がコンビニでバイトしたり、売れないミュージシャンが会社員をやるのもライスワークです。
そして実は、企業はライスワークしか提供してくれません。きちんとした企業であれば、あなたの飯の種はたしかに保証してれます。が、ライフワークとして生涯取り組むような仕事までは用意してくれません。それは自分で探すしかないのです。企業に入ったからといって、自分のライフワークまでは決まりません(昭和世代は違ったようですが、今は令和の時代です)。
じゃあ、ライフワークとライスワークは完全に関係ないのか?というと、それも違います。
ライフワークは、ライスワークに本気で取り組むことで見えてきます。企業できちんと仕事をして、初めて自分が目指しているところや好きなことが見えてくるんです。
「ライスワーク」から生まれる「ライフワーク」
どういうことでしょうか。
ライスワークからライフワークが生まれる、なんてことはなかなか想像しづらいはずです。そこでたとえ話をしましょう。
いまの私は、仕事としてマーケティングをしています。そしてこれは飯の種、すなわちライスワークだと思っています。もちろん私の仕事にはお客様も数多くいらっしゃいますし、社会人として本気でやっています。が、「やっぱりこれは仕事だよね」という割り切りがあるんです。一生身を捧げてやっていく、というほどではないんですね。
ところが、ある時に企業でマーケティングの勉強をするうちに、「人に希望を与えたい」というライフワークにマーケティング的に取り組めるんじゃないかな、と思いついたんです。
その結果が、あなたがいま読んでいるこのサイトです。これは筆者がライフワーク的に取り組んでいて、お金を稼ぐよりも自分の目指したい方向性を忠実に守っています。ライフワークとライスワークを分離したことで、このサイトも自分が目指したいところを素直に実現できています。
逆に、このサイトがライスワークと一体化していたら大変です。お金を稼ぐために運営しないといけないので、サイトの方向性も変わっていたはず。アクセスを集めるためにどうしようもない低質な記事を量産したり、読者のみなさんがウザいと感じるような「出会い系広告」やら「マンガアプリの広告」やらがサイト上に溢れかえっていたはずです。
ただ、そのようなアプローチを取らなかったことで、このサイトは質を保ちながら成長してきました。いまや、このサイトは毎月数万人規模の就活生に見られています。
ライスワークを必死にやることでライフワークが生まれることもあるんですね。
「ライフワーク」の要素を含んだ「ライスワーク」を選べばいい
この話の教訓はなにか。
それはあなたが何となくやりたいと思っている「ライフワーク」に、1ミリでも被りがありそうなライスワークを選びましょう、ということ。
例えばあなたがライフワークとして「ケーキ屋さんをやりたい」と思っていたとします。それならケーキに詳しくなれそうな、食べ物系の出版社や雑誌を目指すのはどうでしょうか。ケーキに関係するような食品卸や、食材を扱う専門商社なども視野に入るでしょう。
SNSが大好き?なら、SNSマーケティングの会社もいいでしょう。大きな企業に入って広報担当を目指すという手段もありますね。SNSを運用している企業やレジャー施設などを調べてみてもいいかもしれません。
一日中ゲームしていたい?なら、ゲーム制作会社という手もありますし、アプリ制作関連の会社もよいですね。また、考え方を変えてそもそも一日中家でゲームができそうな仕事する、という考え方もアリです。例えば働き方が比較的自由なITエンジニアのスキルを身につけてもよいでしょう。ちなみに私の知り合いには、「地下アイドルのおっかけをやる時間を作るため」だけに、働き方を選べるITエンジニアになった人がいます。笑 そして、彼は超出来るエンジニアです。決してふざけた人間ではありません。少なくとも仕事では。
社会人なんて、そんなもんでいいんです。自分が大好きな、ライフワークに少しでも被りそうな仕事を選びましょう。そして一生懸命取り組めば、意外とそのライフワークも変化していき、やりたいことがアップデートされていきます。
なので、「したい仕事がない」と悩んでいる就活生は、ライフワークを大雑把に考えてみることからオススメします。そのうえで被りがありそうなライスワークを選びましょう。
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